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ITライターが中の人に聞いた!「速度調査にからくりありって本当?」

結局のところ、MVNOのデータ通信速度って速いの?それとも遅い?よくある速度調査って、信じていいの?みんなが気になっている「本当のところ」を、ITライター房野麻子氏が、U-mobileの中の人にズバリ質問しました。

 

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質問に答えた中の人:U-NEXT コミュニケーションネットワーク事業本部 ネットワークサービス統括部 統括部長 萩原智晴氏

 

kno018-1インタビュアー:ITライター房野麻子氏

 

データ通信速度ってコントロールできるの?

房野 最近、MVNOがスピードテストアプリを使っているときの通信速度を上げているとする「スピードテストブースト」騒動がありました。そもそも、このスピードテストのときだけ高速な結果を出すということは可能なのでしょうか。

萩原 スピードテストブーストについては、当然、当社ではそういうことはしていません。ただ技術的には可能ですが、企業のモラル管理や、コンプライアンスの関係上、偽装されているところはないと信じます。

房野 できるんですか?

萩原 まず、ネットワークには、通信プロトコルやアプリケーションのデータでさまざまなものが流れます。例えば、以前話題になった「Winny」のようなP2Pソフトは、大量のトラフィックを短時間に食うソフトで、帯域を占用されてしまう。あるいは、数ギガバイトもあるデータをずっとダウンロードし続けたりアップロードし続けたりすると、これも帯域を占用されますので、そういったものに対しては制御をかけます。これはモバイルだけではなく、通常のインターネットの世界の中でよく行われています。そういった通信制御、アプリケーション制御やプロトコル制御に関しては、各社とも独自のポリシーで運用しています。

房野 どのような仕組みで制御するのですか?

萩原 世間一般でよく使われるものを優先的に通す制御は可能です。それを可能にするということは、逆に犠牲にされるアプリケーション、通信プロトコルも存在する。つまり、同時にパケットが流れてきても、こっちは先に通す、こっちは後に通すということは技術的には可能です。

房野 データのタイプによって優先する/しないが可能なんですね。

萩原 はい。スピードテストも、どんなデータを通すことでスピードを計るかは、スピードテストのアプリケーションによって異なります。テキストデータを一斉に流して計ったり、画像データを送り続けてどれだけダウンロードできるかという計り方もあります。制御がかかっていると、同じデータ容量であっても、使うスピードテストアプリによって異なる結果になる場合があるんです。

房野 スピードテストアプリの数値は意外とあてにならないということですね。

 

ランチタイムに通信速度が遅くなる問題はどうなったの?

房野 U-mobileは速度に関してどういうポリシーで運営されているのですか?

萩原 MVNOのようなサービスを求めるユーザーさんは、大手キャリアのようなフルパッケージ型のサービスを求めている人ではなく、電話はしないからかけ放題は不要だとか、大手キャリアのデータ通信は自分にはオーバースペックで料金が高いと思っている人だと思います。

U-mobileはオーバースペックで不必要な機能やオプションの無駄な部分を削ぎ落として、ユーザーさんのニーズを満たす必要十分な環境を作り出し、それによってコストを下げるという努力をしています。例えば、YouTubeの標準画質は480pixelですが、これは正直、1Mbpsも出ていれば止まらずに十分快適に見ることができます。低画質だったら500kbpsから700kbpsもあれば見られます。

房野 そうなんですか。

萩原 ただ、100メガバイトの電子書籍を一気に短時間でダウンロードしたい、というような場合は速度が絡んできます。何冊もダウンロードしたいのだったら自宅でWi-Fiの利用をお勧めしますが、外で続きの1冊を読みたいという時には、ちょっと時間はかかりますがダウンロードして読んでいただける、そういったレベルの環境を提供できるように努めています。

独自のサービスに、「U-NEXT」の映像配信やスマートフォンで有線放送を聴ける「スマホでUSEN」というサービスがありますが、これが止まらずに普通に聴ける環境を提供することが1つの基準となっています。

房野 数値で決めているわけではないんですね。

萩原 アプリで速度を計って、3Mbpsより5Mbpsの方が速いのは確かにその通りですが、3Mbpsでできることと5Mbpsでできることには、大して違いがないんです。

雑誌などのメディアで、通信速度の数字だけで比較してランク付けをする記事が出ることがあります。それ自体は仕方がないことだと理解していますが、ユーザーさんがそれでどう判断したらいいのかということにまで突っ込んでもらいたいと思っています。お昼でもこのくらいスピードが出ているのであれば、こんなことは十分できるとか、これをやるにはちょっと苦労する、というような利用の具体例を一言添えていただきたいなと思っています。

房野 MVNOはランチタイムにスピードが落ちて快適に通信できない状態になっていると言われていましたが、現在はいかがでしょうか?

萩原 1日の中で3回、通信のラッシュアワーがあります。1つ目は通勤時間帯、2つ目が12時からのランチタイム、あと、17時を過ぎて19時くらいから22時くらいまでピークのカーブがあります。

最初は我々も品質を維持するのに苦労しました。ユーザーが少ないと、たくさん通信するユーザーの比率が非常に高くなり、一気に回線が混み合います。しかし、ユーザーが増えてネットワークの帯域を増やせば、大量のユーザーの中のごく一部のヘビーユーザーが使っても影響は少なくなります。ですからユーザーを増やす努力をしてきました。一方で、公平なサービスという観点からいくと、あまり使わないユーザーがヘビーユーザーの費用を負担していることになる。U-mobileでは一定のルールをもって、使いすぎたユーザーには「少し待ってね」という制御をさせてもらいながら、多くのユーザーが不自由なく使える品質を目指しています。今は比較的いいコンディションになっています。

kno018-3通信速度についてわかりやすく解説してくれた萩原智晴氏。

 

MVNOの通信速度は大手キャリアより絶対遅いの?

房野 データ通信の品質は、どのような条件で決まるのでしょうか。

萩原 現在、理論値で受信時225Mbps、送信時50Mbpsという速度が出ますが、これは簡単にいうとスマホと基地局間だけの速度です。MVNOは大手キャリアの回線を使ってエンドユーザー向けにサービスをしているわけですが、ここは大手キャリアもMVNO各社でも変わりません。

データは基地局からアクセスポイント、インターネットへと流れていきます。MVNOが大手キャリアに対してどれだけの帯域で接続するか、MVNOがバックボーンといわれるインターネット網にどれだけの速度で接続するか、そういったところが、MVNO各社の通信速度の違いになってきます。そして、帯域制御によって動画をどうするかといったような制御もしている。ここが各社違うところです。だから、実はMVNOが帯域を潤沢に借りて、インターネットに太いパイプでつなげば、MNOよりもスピードが出る可能性があるんですよ。

房野 よく「大手キャリアから帯域を買う/借りる」と表現されますね。

萩原 1秒間に何Mbpsの処理をするかという帯域を買っています。接続している制御装置類の性能によってもパフォーマンスが変わってくるので、トータルの速度は非常に複雑な条件で決まっています。

房野 大手キャリア分の帯域が足りなくなるということはないんですか?

萩原 大手キャリアはMVNO各社からのオーダーを見越して対応します。大手キャリアは広くあまねく日本全国にサービス提供するための設備を先行投資で潤沢に持っています。MVNOがなくても自ら提供できる規模の設備やネットワークを持っていて、その一部を貸しているだけなんです。足りなくなることは、まずありませんし、足りなくなったら逆に怖いです(笑)。

キャリアは設備を整える義務を課されていて、みなさんが払っているユニバーサル料金がそういった費用に当てられます。

房野 それで5Gなど、将来のための研究や技術開発も行っているわけですね。MVNOの通信について少し分かってきました。本日はありがとうございました。

 

通信速度調査では、同じ時間帯に同じ場所で測ったとしても、毎回数値が変わります。計測する端末、アプリ、その時の通信の混雑状況によって結果が変わるので、意外とあてにならないものだとわかりました。仮に数値が低かったとしても、FacebookやLINEなどのSNSはもちろん、画像が多いInstagram、YouTubeの動画などはちゃんと快適に見られるレベルが確保されています。これからは数値よりも実際の使用感に目を向けたいですね。

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