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ITライターが中の人に聞いた!「U-mobileの目指すサービスとは?」

MVNOのサービス提供会社が増える今、各社、独自の強みを活かしたサービスやプランの提供を行っています。U-mobileではどのように考えられているのでしょうか。ITライター房野麻子氏が、U-mobileの中の人にズバリ質問しました。

 

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質問に答えた中の人:U-NEXT コミュニケーションネットワーク事業本部 ネットワークサービス統括部 統括部長 萩原智晴氏

 

kno018-1インタビュアー:ITライター房野麻子氏

 

U-mobileではなぜ「使い放題」のサービスが提供できるの?

房野 U-mobileのサービスについて、目指しているものについて聞かせてください。まず基礎知識として、MVNOはどうやって低価格を実現しているのでしょうか。

萩原 MVNOはMNO(大手キャリア)のような

全国規模の無線通信設備を持たず、MNOの無線ネットワークと自社のネットワークを接続してインターネット通信を実現しています。コスト面で特に負担が大きいのが無線基地局の設備投資とそれを運用するコストなのですが、そこは一定の費用をお支払しつつMNOに任せ、MVNO自身はインターネット接続に設備も人的リソースも特化できるという点が挙げられます。さらにU-mobileではインターネット接続まで含めた全ネットワークの構築、運用をMVNE(ネットワーク接続支援事業者)に委託する事で、サービス設計とマーケティングにリソースを集中させることができ、さらなるコストダウンを実現しています。

房野 多くのMVNOが登場し、今後は差別化やサービスの充実がカギになると思いますが、U-mobileが重視したいところは何でしょうか。

萩原 弊社の社名にもなっている「U-NEXT」のようなビデオ見放題サービスや、音楽聴き放題の「スマホでUSEN」、雑誌や漫画がスマホで読める電子書籍など、通信サービス以外の付加価値が重要になってくると思っています。料金プランも、ユーザーさんの使い方に合ったバリエーションを増やし、様々な選択肢を提供できることを目指しています。他の事業者に乗り換えなくても最適なプランが選べるように、様々なプランを取り揃えていきたいと思っています。

房野 現在、U-mobileを利用しているユーザーは、どのような人が多いんですか?

萩原 MVNOに乗り換える一番大きな理由は、料金の安さだと思います。我々も値段を抑えつつ様々な用途に耐える品質を目指しています。その上で我々がおすすめするのは、前述した映像や音楽、電子書籍サービスで、これらを取り揃えて提供していきます。もともと「USEN」から独立した会社ですのでエンターテインメント色が強いです。

房野 やはりエンタメ系サービスを求めて移行してくる人が多いですか?

萩原 そういう方も増えてきていますが、やはり圧倒的にLTE 使い放題が理由です。他社では通信速度を少し抑えた使い放題プランを提供されているところもありますが、我々は他のプランと同様、品質に拘ってサービスを提供しています。音声通話サービスを含める場合は月額2,980円、データ専用なら月額2,480円です。上限3GBの2段階制定額「ダブルフィックス」もあり、ユーザーには選べるメリットがあります。

房野 LTEで使い放題を提供しているMVNOは少ないですからね。

萩原 はい、同業者さんも、なかなかその領域に踏み込めないといいます。

房野 U-mobileではなぜそれができるのですか?

萩原

ベースとなっているのはネットワークの設備投資とそれを運用するコストを自社で持つのではなく、プロであるMVNEに委託する事で我々のリソースをサービス設計とマーケティング部分に費やせるからです。もちろん企業努力もありますが。

房野 回線を借りて運営しているといっても、レンタル料金もそうそう安くはないと思います。

萩原

はい、もちろん安くはないですが、自社でネットワークを構築・運用する場合、設備投資以上にネットワークの設計と監視保守体制を整えるために豊富な経験をもった技術者が多く必要となりますので、それよりは低く抑えられるという事です。そこで我々は得意なマーケティングの分野に集中し、多くのお客様にご利用いただく事で安価にご利用いただけるよう努力しております。

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U-mobileのサービスについて、ざっくばらんに話してくれた萩原智晴氏。

 

MNPしても空白期間なくすぐに使えるのはなぜ?

房野 U-mobileの契約は現在、Webとショップでできると思いますが、どのくらいの時間がかかるのでしょうか。

萩原 Webで新規契約の場合は、申し込んでいただいた翌日に発送しています。到着したらスマホにSIMカードを挿して、APN設定をすると使えるようになります。直営ストアのU-NEXTストアでは30分程度でお渡しできます。家電量販店など販売パートナーさんの売り場では、U-NEXTストアと同様に30分くらいでお渡しできるところもありますし、持ち帰ってご自宅で手続きしていただく方法も用意しています。店舗によって多少の違いはありますが、基本的には当日で手続きが完了します。

携帯電話が使えない期間があることで問題になっていたMNPですが、今は切り替え直前まで使い続けることができます。自宅にSIMカードが届いたら、Webか電話で弊社のカスタマーセンターに開通手続きの連絡をしていただきます。そこで初めてアクティベートすることになり、今まで使っていたSIMから新しいSIMに切り替わります。ですから空白期間なく使うことができます。

房野 自分の好きなタイミングで切り替えができるんですね。

萩原 U-NEXTストアや家電量販店さんで手続きする場合、MNPでも基本的に即日対応できます。「OTA(On The Air)」の仕組みを使っていて、お店の専用端末にSIMカードを挿して手続きするとアクティベートされます。そういった即日お渡しできる店舗が現在、全国に300店舗以上(2016年7月現在)あります。

房野 MNOのキャリアショップと同じように手続きできるんですね。それは便利! やはり端末とSIMカードとセットで買う人が多いのですか?

萩原 比率としてはSIMカードだけで契約される方が多いですが、最近ではスマホをセットで購入される方が非常に増えています。特徴的なのはMNPで他社からU-mobileにお乗り換えされるお客様がスマホセットをお選びになり、その際にこれまで使用していたスマホにデータ専用SIMを追加契約して挿し2台持ちしたり、新規に通話SIMをご契約して子どもに持たせたりする方が多いようです。

房野 U-mobileの端末ラインアップは、なかなかユニークですね。「BlackBerry」やWindows 10 Mobileの「NuAns NEO」など、他社にない端末も多いです。どうやって選んでいるのですか?

萩原 最近は端末メーカーさんが様々な新製品のご提案にいらっしゃるので、その中でもコストパフォーマンスに優れた売れそうなものを採用します。BlackBerryも人気があるんですよ。我々のサービスは映像や音楽といった、他のMVNOとは違う領域で戦っているので、ユーザーさんも個性的な方が多いのかもしれません。通信費は安く抑えたいけれど、端末はいいものを持ちたいという人にご評価いただいているのかなと思っています。

房野 今後も端末セレクトの方針は変わりませんか?

萩原 はい、支持されるものを提供していきます。NuAns NEOは一時期、製造が追いつかない時期があって、お手元に渡るのに時間がかかってしまったこともありました。Windows 10 Mobileに関して世間的にまだまだと思われていますが、テレビやモニターと端末をつなげて使う「Continuum(コンティニュアム)」が革新的で、100%代わりになるとは言えませんが、キーボードとマウスを揃えるとパソコンのように使えます。

Officeのモバイル版が入っていて、それをモニターに映し出した時には、スマホアプリの拡大版ではなくて、パソコンのような画面で表示されるのがポイントです。編集したファイルはOneDriveにアップして、スマホとパソコンで簡単に共有できて、非常に使い勝手がいいです。こういう使い方をすると当然、データ容量の問題が出てくるので、我々のLTE 使い放題にマッチするということで採用しました。インテリアにマッチするようなデザインや世界観も、我々の目指す方向性と合っていると思っています。

房野 さまざまなSIMフリー端末が登場し、SIMロック解除も義務化されたので、動作検証が大変ではないかと思いますが、どのような姿勢で取り組んでいらっしゃいますか?

萩原 取り扱うものはもちろん検証していますし、ドコモさんの端末はほぼ使えます(U-mobile SUPER除く)。そもそもドコモさんのSIMカードを提供していますので、ドコモ端末で使えないものはまずありません。問題は、auやソフトバンクなど他社さんの端末をSIMフリー化したもので、その検証には正直、手を焼いています(笑)。

端末がSIMフリー化されて使えるといっても、3キャリアで使っている電波の周波数帯が違っているので、それぞれに最適化されていた端末が以前と同じパフォーマンスで使えるか、という問題もあります。iPhoneをはじめとしたメジャーな端末は、他社さんのモデルでも検証していますし、情報も出てきます。危ないなと思ったものは早めに検証するようにしていますが、これだけ種類が多いと、広くカバーするのはなかなか難しいです。

房野 auやソフトバンクが販売して、SIMロック解除した端末の検証が難しいということですね。

萩原 はい。でも、今のところ大きな問題にはなっていません。今後はソフトバンクMVNOや、auMVNOが増えてくるのではないかと思いますので、端末検証もより慎重な対応が必要と思われます。

房野 グローバルメーカーがSIMフリーで出す端末は、大丈夫と思って良いのでしょうか。

萩原 ここ1年くらいで出ている端末は、ほぼ大丈夫です。

房野 iOSやAndroidはアップグレードすることがあるので、その度に大変でしょうね。

萩原 iPhoneはその都度やります。ただ、端末にもよりますが、Androidの場合はそれほどひんぱんにアップグレードされないので、新発売の端末で動くかどうかを中心に検証しています。バージョンアップ対応は基本的にはiPhoneが中心。APN構成プロファイルの設定が変わることがあるので、その都度チェックしています。

 

購入後のサポートはどうなっているの?

房野 MVNOはMNOに比べてサポートが十分でないとの指摘もありますが、U-mobileではどのように取り組んでいますか?

萩原 弊社のカスタマーセンターは365日動いています。また、訪問してスマホの設定をサポートする「モバイル簡単セットアップサービス」を提供しています。「通話プラス」プランを契約していただいた方で、設定に不安がある場合に申込んでいただくと、専門のスタッフがご自宅に訪問して設定してくれるサービスで、なんと無料で提供しています。

SIMを挿して、そこからどうしたらいいか分からない方が結構いらっしゃいます。そういう声にお応えしています。

房野 APN設定でつまづくということですか?

萩原 最近のSIMフリー端末はAPNのリストから選ぶだけだったり、端末が自動でサーチして設定しますが、古い端末やSIMロックを解除したキャリア端末で、APNの入力が必要なことがあります。そういう場合などに利用されています。

房野 直営ショップを増やす予定はありますか?

萩原 はい。4月に千葉県柏市にあるショッピングモール内、5月に湘南の藤沢駅前、7月は都内に2店舗出店し、現在、直営店は9店舗展開しています。以降はニーズを見ながら検討します。直営店ではお客様の声を吸い上げて、それをサービスにフィードバックする狙いもあります。

房野 総務省の携帯電話料金に関するタスクフォースで、「MVNOサービスの低廉化、多様性を通じた競争促進」を目指す方向が示されました。U-mobileはどのように取り組む考えでしょうか。

萩原 我々のスタンスはもともと、料金を安くし、かつ付加価値を高めていくというものです。データ通信料金は、すでに数十円レベルで競争していて、行くところまで行っているのかなと思っています。ただ音声通話の部分は、まだやれることが残っています。企業努力によって、かけ放題に近いサービスを何社かやられていますし、時代の流れの中で、だんだん料金が落ちてくると思います。

房野 U-mobileでは音声通話関連で何かサービスを提供していますか?

萩原 「U-CALL」というアプリがあって、それで電話をかけると、通話料が半額の30秒10円になります。これは比較的早い時期に導入しました。一方で、多様化が我々の存在意義だと思っているので、1人1人の指向性に合わせたサービスをやりたいと思っています。例えば旅行が好きな人だったら、旅先でスマホで写真を撮りますよね。それをSNSにアップする場合は必ずデータ通信がつきまといます。具体的な計画は秘密ですが、どんな時間帯で使うのか、どこで使うのか、お客様の使い方に合わせて利便性を感じるサービスを提供していきたいと思っています。

スマートフォンで電話しかできなければ、それはガラケーと変わりない。SNSでコミュニケーションしたり、ゲームをしたり、音楽を聴いたり、映画を見たりと、さまざまなニーズがあると思います。そういうものを我々自身で用意し、通信料金は安く提供できるようになったらいいなと思っています。

房野 直営ストアでユーザーの声を聞いているという話でしたが、どうサービスに反映していきたいと思っていますか。

萩原 端末ラインアップなどは反映させたいですね。サービスを始めたばかりのとき端末は5機種程度で、そこから広げていきました。

房野 Webサイトに書き込むと検討してくれるようなシステムはあるのでしょうか。

萩原 はい、そのような目的専用という事ではありませんが、オンラインチャットでサービスの質問にお答えするシステムを導入しておりますので、そこでいただいた声は大事にしていきたいと考えております。

房野 他社が行っているファンミーティングのような、ユーザーと直接付き合う機会はあり得るでしょうか。

萩原 あり得ます。テーマやサービスへの活かし方が決まってきたら、開催するかもしれません。ユーザーミーティングはやってみたいですね。一方で、新しいサービスもどんどん提供していきたいので、今はそちらにパワーを注いでいるタイミングです。

房野 どんなサービスを予定しているのですか?

萩原 大小、さまざまです。一例を挙げると、今、LTE 使い放題は24時間使い放題ですが、特定の時間帯だけ使い放題にするということができないか検討しています。法人プランですと、夜中だけしか使わないから安くできないかといった相談を受けます。コンシューマーでもそういう使い方をする人がたくさんいるのであれば、検討できると思います。

房野 料金プランもサービスも、まだまだ、いろんなものが登場しそうですね。これからが楽しみです。本日はありがとうございました。

 

 

基地局やインターネット接続設備などをMNOに任せているMVNOだからこそ、サービスに注力できるのですね。MVNO事業者は少し前まではサポートが不安と言われていましたが、その部分も徐々に改善されていて、より安心して使えるサービスに進化しているのだと感じました。MVNOだからこそ提供できる独自のプランやサービスもあり、料金の安さだけでない魅力がわかりました。今後の展開にも注目したいです。

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